ウィーンで思い出したけど、プラハから長距離バスでウィーンに到着した時のこと。
手持ちのクレジットカードにトラブルがあって、ウィーンに着いてまずJCBプラザへ行った。あれこれ遭って、気疲れしていた為、JCBプラザから宿泊予定の短期アパートまでタクシーで行こうと思っていたので、とりあえずJCBプラザの人に、ここからアパートがあるところまでのタクシー代金の目安を聞いておいた。
すぐ外で客待ちしていたタクシーの運転手に短期アパートの住所を見せて、乗り込んだ。運転手のおっさんは中東系の顔立ちだったので、最初は見た目で妙に警戒してしまった(中東の人に失礼だけど)
「ドイツ語話せる?」って聞かれて、「いいえ。」と答えると「英語は苦手なんだけどね。」と言いながら、かなり訛りの強い英語を話しだした。
お決まりの「どこから来たの?」と言う質問に対しては、日本人旅行者だと舐められてはいかん!と思って、「あー、チェコで学生をしてて、休みを利用してウィーン旅行に来ました(嘘)」とか「チェコ語はちょっと話せるんだけどドイツ語は全くダメですー(嘘)」とか、「やっぱりプラハと違って、ウィーンは物価高いですよねー(これだけホント)」とかなんとか適当に調子を合わせつつ、嘘八百の連続。
自分の機嫌がいい時は、テンションも高いし調子がいいので、話は妙に盛り上がった。(ワタシは嘘ばっかりついてたけど)
でもちょっとずつ雲行きが怪しくなってきた。「ウィーンで行きたいところある?あるなら連れていってあげるよ。」なんて言い出した。「いや、もうこれ以上タクシーに乗れるほどお金に余裕はないし。」と適当に断っても、「プライベートでいいんだよ。」とかしつこい。
最終的には、「気が変わったらいつでも連絡ちょうだい。」と携帯の番号を紙に書いて渡された。ウンザリ。
でも、道に迷ったのか、急に細い路地で車を停められた時にはちょっとだけ警戒したけど、細い路地に入る前から「僕のミスだし。」と言ってメーターを止めてくれたし、料金はJCBプラザの人が言っていたのと変わらなかったし、お釣りの中から小銭をチップとして渡そうとしても、「いや、チップはいいんだよ。」と言って受け取ろうとしなかったし、実はいい人だったのかもしれないと思った。
泊まってる場所がどこか知られているので、ウィーン滞在中ちょっと気持ちが悪かったけど、その後そのおっさんに遭遇することはなかった。
口からでまかせばっかり言っていたワタシの方が、よっぽど悪い人じゃない?